仙台の「青葉ゴルフ」事業停止 民事再生中、預託金の返還不透明に

大和町のゴルフ場入り口。青葉ゴルフと関係がないことを知らせる張り紙がある

 ミヤヒル36ゴルフクラブ(宮城県大和町)を運営し、民事再生中の青葉ゴルフ(仙台市)が事業を停止したことが13日分かった。再生計画は会員の預託金約76億円を順次返還すると定めるが、同社は昨年の請求に応じないまま音信不通となっている。事業停止で再生計画自体が頓挫し、今後の返還が履行されない恐れがある。

 関係者によると、同社は7月に入り一部会員宛てに文書を送付。新型コロナウイルス禍による売り上げ減少、人件費やコース管理費など固定費の負担を理由に「営業を停止せざるを得ない状態となりました」と説明した。

 さらに破産申し立てなど清算手続きの費用を工面できないことを謝罪し「ご理解の程よろしくお願い申し上げます」と記している。

 同社は過去に遊園地やゴルフ場、スキー場、レース場などを備えた「仙台ハイランド」(青葉区)を運営したが、2006年に民事再生法の適用を仙台地裁に申請。負債総額は約123億円に上った。

 再生計画はミヤヒルと仙台ハイランドカントリークラブ(16年閉鎖)、かつて運営した大石田ゴルフクラブ(山形県大石田町、1996年売却)の会員計数千人に対し、プレー権を確保しながら約76億円の預託金返還を10年間据え置いた後、総額年2000万円を限度に返済する内容だった。

 関係者によると、預託金は1会員当たり最大数百万円に上る。会員の請求に基づく毎年の返還が18年に始まったが、3年目の20年は履行されないまま連絡が取れなくなった。

 同社はミヤヒルの土地と建物のほか、増設を計画した隣接地も第三者に売却し、少なくとも数十億円の売却益があったとみられる。関係者は「土地を売却した金はどこに行ったのか。預託金を返還しないまま雲隠れしようとしている」と批判し、民事再生法違反の可能性を指摘。民事再生手続きで代理人を務めた弁護士は「債権者である会員への背信行為であり、とんでもない」と話す。

 仙台市中心部にあった本社は18年にミヤヒルに移転、今年5月に宮城野区のアパートの一室に移った。経営陣は変遷し、20年12月に神戸市の男性が代表取締役に就いた。

ミヤヒル36ゴルフクラブの看板

全従業員3月に解雇 別企業が再開へ

 1998年開業のミヤヒル36ゴルフクラブ(18ホール)は昨年暮れから冬季休業に入っていた。ホームページには「3月22日のオープンを予定したが、地震被害の影響で復旧のめどが立っていない」と記載する。関係者によると、3月に全従業員が解雇されたという。

 登記簿などによると、開業当初に36ホールへの拡大を計画した未整備の隣接地は2014年、大阪市の会社に売却された。この土地では現在「宮床メガソーラー発電合同会社」(大阪市)が出力3万6000キロワットの大規模太陽光発電所を計画する。発電施設を運営する東京都内の企業によると、8月中にも着工する見通しという。

 一方、ミヤヒルの土地の約65%とクラブハウスなどの施設は16年、隣接地を購入した会社の関連会社が取得し、17年には大阪市の別の会社に所有権が移った。青葉ゴルフは賃料を支払って営業を続けていた。

 ミヤヒルの土地を所有する会社は9月にも新たなゴルフ場としてオープンさせる方針で、元従業員数人を再雇用して整備を進める。担当者によると、青葉ゴルフの事業停止を受け、他の地権者と協議して決めたという。

 担当者は「青葉ゴルフおよびミヤヒルとは関係ない。賃料が入らない以上、資産を活用しなければならない」と説明する。

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