(39)生霊(いきみたま)酒のさがらぬ祖父(をほぢ)かな/宝井 其角(1661~1707年)
昔のお盆は一家の長老を「生身魂」として祀(まつ)ったそうな。<酒を妻つまを妾の花見かな>とひどい句も残した飲んべえの其角だが、「酒はずんつぁん似よ」ってか。私の祖父は98歳で今年亡くなるまで、「節酒」して毎晩2合飲んでいた。卒寿の頃、仙台の料亭「松竹」にお供したが、女将(おかみ)の前では節酒の禁を…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。