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(34)そのまはりかすかな水輪蟇/対中 いずみ(1956年~)

 「その」という指示語で句が始まり、私たちはそれが何なのかわからないまま句を読み進めます。気付かないほどの水の波がそれを中心に静かに広がっていき、最後にどっしりとした蟇(ひきがえる)が現れます。蟇は大柄な蛙で、姿もゴツゴツとして存在感がありますが、田んぼや池の隅でじっとしているとなかなか気付かないも…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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