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(44)蝉しぐれ木椅子のどこか朽ちはじむ/黒田 杏子(1938年~)

 句集『木の椅子』より。この句集には掲句の他にも木椅子の句がある<父の世の木椅子一脚百千鳥>。父が庭に置いていた木の椅子だろう。その木椅子に腰かけセミの声に包み込まれていると、若き父と幼い自分の姿がよみがえる。時の経過とともに、木の脚はきしみぐらついてゆく。木椅子を通して、とどまることのない時の流れ…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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