「井上芝居」聴いて楽しむ 演劇関係者ら「父と暮せば」CD制作

古川さんらが手掛けたCD。井上芝居を聴いて楽しめる

 作家で劇作家の故井上ひさしさん(山形県川西町出身)が、原爆投下後の広島を描いた戯曲「父と暮せば」の音源を収録したCDが完成した。井上芝居を広く知ってもらおうと、南陽市の演劇関係者らが吹き込んで制作し、希望者への提供を始めている。

 「父と暮せば」は、広島で被爆し、生き残った罪悪感に苦しむ美津江の姿と、幽霊の姿で現れた父竹造との愛情あふれる会話が印象的な2人芝居。CDは2枚組で全4場、計90分の音源が入っている。

 公演で竹造役を長年演じ続ける南陽市の古川孝さん(72)が中心となり企画。8代目美津江役で、現在は関東で劇団の研究生として活動する埼玉県の松林紗希さん(20)=南陽市出身=と共に2月に録音した。

 松林さんは「音だけで舞台の立体感や位置関係が見えるように演出を工夫した」と制作を振り返る。作品については「肌感覚として戦争は分からないが、美津江の考え方に共感できるせりふがあり、私が演じる意味だと感じる」と話す。

 古川さんらは新型コロナウイルス禍で観劇できない人にも作品を楽しんでもらいたい考え。CDが完成した7月末から順次、希望者に無料で配っている。

 古川さんは「CDを機に演劇にも足を運んでほしい。ライフワークとして竹造を演じ続け、作品の素晴らしさを伝えたい」と言う。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る