大竹しのぶさん、井上ひさしさんの思い出振り返る 2年ぶり吉里吉里忌

井上さんとの思い出を振り返る大竹さん=川西町

 劇作家で小説家の故井上ひさしさんの功績を顕彰する催し「吉里吉里忌2021」(実行委員会など主催)が11日、出身地である山形県川西町の町フレンドリープラザであった。

 井上さんが手掛けた多くの舞台へ出演してきた女優大竹しのぶさんが登壇。「井上芝居の想(おも)い出」と題し、印象的なせりふや台本のト書きなどを巡るさまざまなエピソードを、ユーモアを交えて語った。終盤に出演作の劇中歌を披露すると、来場者約450人から大きな拍手が送られた。

 大竹さんは「(演じていると)井上さんの言葉が私たちの体を通して、客席に静かに染み渡るのを体感できた」と振り返った。

 井上さんは2010年4月に死去。例年4月に開かれる吉里吉里忌は昨年、新型コロナウイルスの影響で11月に延期され、今年は2年ぶりに4月の開催となった。

 来場した同町の無職黒沢喜昭さん(76)は「大竹さんの歌まで聞けて、貴重な機会だった。今年も参加でき、出身地の町民としてうれしい」と話した。

私も井上ひさしです 「遅筆堂文庫」研究員の男性

 故井上ひさしさんに多くのファンが思いをはせた吉里吉里忌。会場となった山形県川西町フレンドリープラザに、もう1人の「井上ひさし」さんがいた。

 同町の地域おこし協力隊として、札幌市から1日に赴任した井上恒(ひさし)さん(60)=盛岡市出身=だ。プラザ内に設けられた井上さん関連の蔵書約22万冊を集めた「遅筆堂文庫」の研究員となり、資料の整理や研究に取り組む。

 幼少期にNHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」を見て、作者の氏名が自分と同じ読み方だと興味を持って以来、井上作品を数多く読んできた。

 井上さんの没後は小説や戯曲、雑誌への寄稿などを全て記録した私家版データベースを自力で作成するなど、研究熱心な恒さん。吉里吉里忌を終え、「井上ひさしの言葉への思いに応えた大竹しのぶさん。二つの大きな才能の出会いに感動した」と話した。

河北新報のメルマガ登録はこちら
新型コロナ関連

企画特集

先頭に戻る