好調新型アクア、販売に冷や水 トヨタの工場稼働停止・減産に懸念

 トヨタ自動車の小型ハイブリッド車(HV)「アクア」は、全面改良による7月19日の発売から1カ月余りが過ぎた。6日公表の8月の車名別国内新車販売台数は9442台と、月間販売目標9800台におおむね到達。一方で新型コロナウイルス感染拡大に伴う工場の稼働停止は生産するトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)にも及んでおり、販売店やサプライヤーからは販売への影響を懸念する声も上がる。

発売から1カ月余りが過ぎ、好調な売れ行きを見せる新型アクア=1日、仙台市宮城野区の販売店

 「爆発的な売れ行きではないが、コンパクトカー全体の売れ行きに貢献している」

 宮城トヨタ自動車(仙台市宮城野区)の担当者が分析する。同社では7、8月の販売目標達成には至らなかったが、人気の小型車「ヤリス」、スポーツタイプ多目的車(SUV)「ヤリスクロス」との相乗効果を上げているという。

 MTG日の出町(同)の三浦加代店長は「燃費効率が良く、駐車支援機能もある。万が一の災害時には『非常時給電モード』が役立つ。お客さまのニーズに合わせてPRできる」と話し、今後の販売台数の上積みに手応えを見せる。

 仙台トヨペット(同)は7、8月、販売目標の9割程度を達成し、売れ行き増加も見込む。ただ不安要素は工場の稼働停止だ。ヤリスクロスは納車期間が1カ月延びて半年以上に。アクアは2カ月半で現段階で影響は出ていないが、大枝浩行営業企画推進部長兼車両部長は「コロナに伴うサプライチェーン(供給網)の混乱、半導体不足は続く。今回で稼働停止が終わるといいが」と話す。

 大規模な生産調整を行いながらも、トヨタは2021年度の世界生産目標を930万台から変更していない。関係者によると、トヨタ東日本のアクアを含む生産計画台数は、9月が4割程度減産の2万6000台程度となる一方、10、11月は平常時より多い5万台前後が示されているという。

 アクア向けの部品を供給する東北のあるサプライヤーは「本来なら9月は月単位の売り上げがピークになる時期で、新モデル発売の効果も期待していた。こんな状況になり、がっかりしている。計画通りV字回復すればいいが、本当に元通りになるのだろうか」と懸念する。

[トヨタ自動車の工場稼働停止]8、9月、元町工場(愛知県豊田市)やトヨタ自動車東日本の宮城大衡工場(宮城県大衡村)、岩手工場(岩手県金ケ崎町)など国内14工場で実施。新型アクアやヤリス、ヤリスクロス、クラウン、カローラを対象に、当初計画の月産90万台から4割程度減産する。「東南アジアでの新型コロナウイルス拡大に伴う部品供給不足」と理由を説明する。トヨタ東日本の2工場は6月にも世界的な半導体不足により稼働停止した。

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