選挙ってなぜあるの?<選挙の知識>

 今年は仙台市長や宮城県知事、衆議院議員を決める選挙が行われます。議員をなぜ選挙で決めるのでしょう。大学の先生に話を聞きました。

選挙を学ぶため本物の投票箱を使って生徒会役員選挙を行う宮城県松島高の生徒たち=2018年11月

「政治を任せる人」を決めるため

 議員は、法律や地域のルールである条例をつくったり、税金の使い道を決めたりするのが仕事です。国のことを決める国会のほか、都道府県や市町村にも議会があり、それぞれに議員がいて、選挙で当選した人が務めます。

 都道府県や市町村のトップも選挙で当選した人です。都道府県のトップは知事、市町村は市長、町長、村長で、「首長」と表現することもあります。

 政治学に詳しい東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授は「私たちの代理人として、政治の仕事をする人を決めるのが選挙」と説明します。どうして代理人を選ぶのか。河村准教授は「ヨーロッパではかつて『優秀な人に任せればいい』という考えでしたが、そういう人が常に現れるとは限らないし、悪い政治をして人々が困ってしまうこともあった」と振り返ります。

 そこで「全員で話し合って物事を決めるのが理想だけど、みんな仕事や勉強で忙しいし、政治の話は難しい。多くの人から支持された人に政治の仕事を任せようとなったのです」と説明します。

 一度選ばれた議員や首長は原則として任期は4年(参議院議員は6年)です。議員や首長の仕事を続けたいときは、もう一度選挙に立候補して当選しなければなりません。

 任期はなぜ決められているのでしょう。河村准教授によると「代理人としてきちんと働いているかチェックするため」だそうです。

 当選するために選挙で目立つことを言って、議員になる人がいるかもしれません。当選後は好き放題やっていい、では世の中がめちゃくちゃになります。河村准教授は「約束を守らなかったり、しっかり働かなかったりする人がいたら、交代させる必要がある。代理人にふさわしいかどうか判断するのが選挙」と強調します。

 また、「野党の存在が民主主義では重要」と河村准教授は言います。多様な意見を認め政策に反映させるために、少数派の代表として野党を認めることが大事だそうです。「野党があることで、当選した議員や首長が雇い主である有権者との約束を守らなかったとき、次の選挙で交代させる選択が可能になる」と指摘します。

 物事を決める代理人を平和的に選び、場合によっては交代させるための仕組みが選挙なのです。
(6月20日付こども新聞「週刊かほピョンプレス」の記事に加筆修正しました)

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