唐突な発表に住民ら困惑 宮城の4病院再編「内容分からぬ」

 仙台赤十字病院と宮城県立がんセンター、東北労災病院と県立精神医療センターを仙台圏で二つの拠点病院に再編する計画が突如発表された9日、所在地の住民らには「内容が分からない」と困惑が広がった。患者やまちづくりへの影響が大きいとして、現地存続を改めて求める声も相次いだ。

 「どういう形になるのか見えてこない」。仙台市連合町内会の島田福男会長(71)は率直に語るものの、市内の赤十字病院と労災病院のどちらも「移転すると困る」との立場は変わらない。

 拠点病院の誘致に、隣の名取、富谷両市が積極的に動いている。島田会長は「両病院にお世話になってきた人々の通院が難しくなる。病院の周りの生活圏も一からつくり直さなければならない」と懸念する。

 仙台市太白区連合町内会長協議会は、高齢化が進む八木山地区に立地する赤十字病院の移転に強く反対してきた。

 八木山連合町内会の広瀬博会長(80)は「地域の個人病院を束ねる存在であり、地域医療の拠点。失われれば、救急患者の受け入れに深刻な影響をもたらす」と指摘。イベントへの協力など地域活性化にも欠かせない存在だとして「今後も必要性をPRしたい」と語気を強めた。

 労災病院がある青葉区台原地区では今年5月、JCHO仙台病院が泉区紫山に移転した。台原地区町内会連合会の村上一彦会長(64)は「地域には労災病院に通院する人も働く人もたくさんいる。自分も含め、共に生きてきたので受け入れられない」と話す。

 新型コロナウイルスの収束が見えない中での方針表明も「論外」と断言。「地域医療の重要性が分かってきた中で、効率性ばかりを求める姿勢が信じられない。議論の経過も、決定を急ぐ理由も分からない」と怒りをあらわにした。

 「地域も成り立ちも経営主体も異なる病院を安易に統合してはならない」と反対姿勢を鮮明にするのは、県医療労働組合連合会の中山修執行委員長(63)。「例えば、赤十字病院が仙台市で役割を果たす周産期医療の機能をどう維持し、どう保証するのか。県民が納得できる情報を出しながら、県民の意見も取り入れつつ検討してほしい」と県に要望した。

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