政治状況を変える必要性を感じながらも、大きな変革は求めない。きのう投開票が行われた衆院選の結果は、有権者の微妙な心理が反映されたものと言えよう。
自民党は公示前の276から議席を減らしたものの、公明党と合わせて国会を安定的に運営するのに必要な「絶対安定多数」の261を上回った。自公政権は信任されたとはいえ、おごりを捨て、野党の異論にも耳を傾け、審議を尽くす姿勢が求められる。
自民が議席減を一定程度に食い止めたのは、新型コロナウイルスの「第5波」が一段落したことが大きい。
だが、コロナ禍は医療の逼迫(ひっぱく)を招いただけでなく、格差の拡大をはじめ社会が抱えるさまざまな問題を浮き彫りにした。それらに対して有効な対策を打ち出せなかったことへの不満や不安が根強いことは肝に銘じるべきだ。
岸田文雄首相の発言や姿勢も不安定さは否めない。
「新しい資本主義」の下での「分配」を巡り、総裁選で主張した金融所得課税の強化を当面見送る方針を示したことは、ぶれや後退と受け止められた。
森友学園を巡る財務省の公文書改ざん問題では「必要であれば国民に説明する」と述べたが、その後「結論が出ている」と再調査を否定。日本学術会議の任命拒否問題も終わった話と片付けた。「政治に信頼を取り戻す」と言いながらも、「政治とカネ」の問題や権力の私物化、国会軽視といった「安倍・菅政治の負の遺産」に対する後ろ向きな姿勢は疑念を抱かせた。
野党は立憲民主、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の5党が289小選挙区のうち213で候補者を一本化するなど共闘態勢を敷き、政権批判の受け皿となった。ただ各党間に「温度差」があり、大きなうねりを生み出せなかった。無党派層の票の一部は党勢を拡大した日本維新の会などに流れたとみられる。
立憲民主の小沢一郎氏(岩手3区)をはじめ、与野党の「重鎮」が小選挙区で敗れたことも、変化を求めた民意の表れとみることができよう。
岸田政権の命運を握るのは経済政策だ。円安や原油高、半導体不足など世界経済の先行きが不透明感を増す中、「アベノミクス」でなし得なかった「分配」を実現できるのか。経済やコロナ対策でつまずけば、菅義偉前首相の二の舞を演じかねない。
今回の衆院選はコロナ下で行われた初の全国的な選挙ということもあり、喫緊の課題に論点が集まった。一方で、経済力をはじめ国際的な地盤沈下が続く日本を将来どうするのかといった大局観に立った論戦は少なかった。
私たちは、語られたことが政策として実現するかどうかとともに、語られなかったことに対して政治がどう向き合うかについても、注視しなければならない。
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