10月31日投開票の衆院選は、百万都市・仙台市が舞台の宮城1、2区で与野党が1勝ずつ星を分け合い、いずれもライバルの比例復活を許す大激戦となった。野党共闘に伴うきしみ、陣営内部の連携不足など、小選挙区の命運を分けた舞台裏に迫った。
(衆院選取材班)
「いい薬になればいいんだ」
衆院選の開票が始まった10月31日夜。2区に立った自民党前議員秋葉賢也(59)が出口調査などで劣勢が伝えられると、仙台市泉区の事務所に不在の本人に対する批判が漏れた。
571票の僅差で2区で初めて敗北を喫し、比例復活での7選。前回選で表面化した地方議員との不和など、支持基盤の亀裂は埋まらなかった。
公示2日前の内部会議で、陣営は個人演説会の開催準備を県議と市議に要請。新型コロナウイルスの「第5波」がほぼ収束し、秋葉自身が強く望んだ。
「そんな話は聞いていない」「コロナだから難しいんじゃないか」。依頼を受けた議員の反応は芳しくなかった。
陣営からは前日夜か当日朝、遊説日程がファクスで届くのみで、働き掛けは鈍かった。若手市議は「選挙中とは思えないぐらい、時間に余裕のある12日間だった」と皮肉った。
党県連内には、世代交代を求める声がくすぶる。「何期続けたって大臣にも党要職にも就けない。替え時だ」(幹部)。選挙中も不穏な空気が漂った。
最終日の30日夜。市地下鉄泉中央駅で相手候補と並んだ最後の訴え。乗降客に深々と頭を下げて声掛けするライバルに対し、秋葉は時折携帯電話をいじる姿があった。
「以前よりも活動量が少ない。基本姿勢から見直すことが必要だ」と陣営幹部は1票への執念を求めた。
「市議選モードだ。地元の裏路地まで選挙カーで回れ。電話作戦も徹底せよ」
中盤の24日夜。宮城1区に立候補した自民前議員土井亨(63)の選対本部から、青葉区の市議に指令が飛んだ。
土井は序盤、コロナの影響を踏まえて動員型選挙を自粛した。不特定多数に支持を呼び掛ける空中戦を強いられ、ベテラン市議は「地をはうことに慣れたわれわれが、なぜ空を飛ばなきゃならないんだ」と嘆いた。
公示日の19日、首相岸田文雄が街頭演説したJR仙台駅前の聴衆は「過去の新首相の演説時と比べると2割減」(市議)。同じ場所で24日行った党総務会長福田達夫の演説でも閑散とし、危機感を強めた陣営は戦術転換を決断した。
土井自身も動いた。27日の2区入りが決まっていた元首相安倍晋三に電話で直談判し、応援の約束を取り付けた。予定が固まった当日の朝9時から、陣営スタッフは1時間おきにツイッターを更新した。
個人演説会も徐々に増やし、最終日も開く力の入れよう。応援弁士の公明党市議も「珍しい」と驚いた。
土井は5選を飾ったが、相手候補との票差は前回の2万1419から5315に縮まった。
陣営幹部は振り返る。「準備期間が短く、固定票を固めるだけで時間切れだった。ラスト3日間で歯車がかみ合い、ぎりぎり逆転できた」
(敬称略)
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