処理水放出の影響「極めて軽微」 東電がシミュレーション

 東京電力は17日、福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出した場合の沖合への広がり方や環境への影響をシミュレーションした結果を公表した。海水中に含まれる自然由来のトリチウム濃度を超えるのは第1原発の周辺2~3キロの範囲にとどまった。海の動植物の被ばく量は国際基準を大きく下回り、影響は「極めて軽微」と結論付けた。

 海洋への拡散シミュレーションは、事故前の第1原発の管理値である年間22兆ベクレル分のトリチウムを365日で均等割りして流し続ける設定で計算した。放出口の直上で1リットル当たり約30ベクレルの濃度となるが、3キロ以上離れた海域では自然由来のトリチウム(1リットル約1ベクレル)と区別できなくなった。

 魚や海藻など動植物への影響は、処理水の混じった海水に触れた外部被ばくや、海水を取り込んだ際の内部被ばくなどを合算して評価した。1日当たりの動植物の被ばく量は最大でも国際基準の2万分の1となり、それらを成人が毎日食べ続けた場合の内部被ばく量は最も大きい想定でも国の基準値(年間1ミリシーベルト)の1万分の1にとどまった。

 これとは別に、処理水内のトリチウム以外の放射能濃度が国の基準値以内であることを確認する「サンプルタンク」のうち、測定用のタンク(計10基)に処理水の濃度を均一にするためのミキサー装置を設置する計画も発表した。濃度検査の正確性を上げるため。

 検査後の処理水は大量の海水と混ぜ、トリチウム濃度を世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1にまで薄めて立て坑プールにためる。濃度の実測値を最終確認した上で、海底トンネルを通して約1キロ先の沖合に流す。放出開始は2023年春ごろを予定する。

東電「処理水ポータルサイト」

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