頼みの外国籍選手機能せず ベガルタJ2降格(中)

FC東京戦でいら立つマルティノス=3月21日、味の素スタジアム

衝突を繰り返す

 5月6日の練習後の円陣で、FWマルティノス(現J2山形)が声を上げた。「チームとしてまとまりを持ってやっていこう。うまくいっていないことにフォーカスして、駄目出しを続けるのは駄目だ」。本人の熱弁とは対照的に、周囲の反応は冷ややかだった。

 キャンプから周囲と衝突を繰り返し、試合中も味方をなじる。組織的な守備には参加しない。新加入のストライカーは浮いた存在だった一方で、確かな得点感覚を備えていたが、手倉森監督は「劇薬」の用法を見いだせなかった。

 MFクエンカとマルティノスが前線で躍動し、課題の得点力不足を解消するという強化部のもくろみは開幕前につまずいた。クエンカは古傷を痛めてキャンプ中に離脱し、戻ってくることはなかった。

 開幕後も誤算が続く。DFシマオマテは昨季の大けがで対人の強さと速さを失っていた。守備重視の戦術に切り替えれば、献身性の乏しいマルティノスが悪目立ちした。ともに出場機会を減らし、起用法への不満を漏らし始めた。

 「そこまで言うのなら、やってみろ」。6月の天皇杯2回戦のJ3岩手戦。手倉森監督は当日に先発メンバーを代え、シマオマテとマルティノスに挽回の機会を与えた。結果はまさかの零封負けで、関係は修復不可能に。2人ともシーズン中にチームを去った。

新卒組は発展途上

 仙台のトップチーム経費はJ1最低レベル。厳しい懐事情でも、戦い続けてこられたのは「新卒組が育って軸になり、そこに外国籍選手が加わる」(竹村栄哉強化部長)という編成方針が機能していたからだ。

 今季の新卒組は発展途上。中心を担う成長を見せた中堅がいない上に、外国籍選手が機能不全に陥っては、J1で満足な戦いはできない。早い段階で多くの選手を獲得し、競争を促すつもりだったが、守護神の座をスウォビィクと争ったストイシッチを除けば、けがや戦術への不適合で、レギュラー定着すら果たせなかった。竹村部長は「チームの結果が、今季の編成の評価」と語った。

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