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(140)生ぜしも死するもひとり柚子(ゆず)湯かな/瀬戸内 寂聴(1922~2021年)

 数多くの小説を著した作家・僧侶は、生前一冊だけ句集を残していた。この一つ前の句は<柚子湯して逝きたるひとのみなやさし>。大正から昭和、平成、令和を生き、たくさんの愛するひとを彼の世へ見送って来た99歳の作者は、先月、ひとりで旅立ってゆかれた。「ひとり」とは、たしかに心細く寂しい。それでもこの句をつ…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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