(135)憂きことを海月に語る海鼠かな/黒柳 召波(1727~1772年)
海月(クラゲ)は夏の季題。海鼠(ナマコ)は冬の季題。ふわふわっと動いて何か楽天的なクラゲに、のっそりとしたナマコがぼそっ、ぼそっ、と語っている。これが逆だと、放蕩(ほうとう)人が真面目人間に自慢話を…
関連リンク
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- ・(130)道が野にひらけて兎いま光/神野 紗希(1983年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。