(142)途中から大白鳥となる時間/石母田 星人(1955年~)
観念的な句です。抽象的な考えや意識を表現しており、手につかめるような実体を持ちません。時間を触れる形で説明することは難しいですね。観念的な「時間」という意識が、途中から大白鳥になったと読んでいます。…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。