◎放射線治療科長 神宮 啓一 教授
日本では前立腺がんが、男性のがんとして最も罹患(りかん)者が多い病気です。60歳以上になると罹患する確率が高くなります。最近では健診の採血でPSA(前立腺特異抗原)の値が高く出て、無症状のまま見つかることが多くなっています。
■5年生存率95%
前立腺がんはその他のがんと少し性質が異なり、5年生存率は95%以上となります。特に前立腺の中でとどまっている限局性のものは、5年生存率が100%に限りなく近くなります。限局性と診断された場合でも、治療後の再発が多い群から少ない群までリスク分類され、そのステージによって治療方針が異なります。最近は放射線治療を選ぶ方も多くなっています。
放射線治療には体の外からがんへ放射線を当てる方法(体外照射)と、体の中に放射線発生物質を入れてがんへ放射線を当てる方法(小線源治療)があり、それぞれ長所と短所があります。
体外照射は「リニアック」というX線発生装置を使って治療します。一般に、1日1回を2か月ほどかけて連日治療を行います。病院によっては1回線量を増やして照射回数を減らした寡分割照射法(おおよそ20~28回程度)を採用する所もあります。この場合、通院期間は1か月程度まで減らせます。どちらの治療方法も、後半には前立腺周囲のぼうこうや肛門に放射線による炎症症状が出てくることが多いですが、数週間から2か月ほどで自然と落ち着いていきます。
最近では、さらに回数を減らした超寡分割照射方法ができる施設もあります。この治療は1回当たりの照射量を3倍程度に増やして、5~7回程度、おおよそ2週間で終わります。
いずれの体外照射も治療成績はあまり変わらないと言われていますが、悪性度の高い場合は、高精度な治療方法によりしっかりした放射線量で治療しないと、数年後に再発しやすいと言われています。
放射線治療では治療中の副作用が治癒しても、治療終了後1年あるいは数年以上して、排便時や排尿後に出血を起こすことがあり、5~7%程度、治療が必要と言われています。前立腺の周囲のぼうこうや直腸に放射線が強く当たるためですが、個人差もあり完全に予測することはできません。こうした副作用を軽減するため、放射線治療前に医療用のゼラチン様物質を腸と前立腺の間に注入し、直腸に放射線が当たらないよう前処置するようになってきています。
■2月新機器稼働
放射線治療技術は日進月歩で、次々新たな技術が臨床の現場で活用されています。当院でも来年2月から磁気共鳴画像装置(MRI)リニアックという新しい放射線治療機器が稼働します。詳細はホームページをご覧ください。
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