東京電力福島第1原発事故以降、禁漁が続いていた福島県の阿武隈川で本年度、遊漁が一部解禁された。アユやヤマメなど豊かな資源を誇る阿武隈川に活気が戻ると期待されるが、訪れた釣り人の数はいまひとつのようだ。いったん離れた釣り人を戻し、東日本大震災前の川のにぎわいを復活させるためには、釣り人への魅力発信や家族連れらが川に親しむ環境づくりといった工夫が求められよう。
福島県の阿武隈川は、原発事故により、川に生息する魚に放射性物質が蓄積し全面禁漁を強いられた。県内水面水産試験場などが毎年魚体の検査を続け、出荷の基準値をおおむね下回ったため、今年4月にようやく一部魚種の漁が解禁された。上流部でアユ、ウグイ、コイ、イワナ、フナ、下流部でアユ、ウグイ、コイの釣りが再開された。
しかし、阿武隈川漁協事務局(福島市)は「本年度の釣り人の数は集計途中だが、実感として震災前の半分程度とみられる。一度離れてしまった釣り人に戻って来てもらうのはなかなか難しい」と残念がる。今後、阿武隈川が安全をほぼ取り戻したことを広くPRすることが重要になる。
震災前には約5000人いた阿武隈川漁協組合員数は現在、約2000人に減ったという。組合員は釣り人への遊漁券販売で収入を得ている。原発事故による東京電力の賠償金は入ったものの、釣り人がゼロになり、遊漁券販売が閉ざされたからだ。
組合員数の減少により懸念されるのは、漁協の活動が継続できなくなることだ。収入減で、稚魚の放流や、子どもたちが水質保全を学んだり川の生物を取って研究したりするイベントの開催などが困難になっているのが現状だ。
今月、郡山市で福島大環境放射能研究所が「阿武隈川の10年とこれから」と題したシンポジウムを開いた。水産資源学の専門家は、漁協がなくなり自由漁場となった場合、乱獲により資源が減少すると指摘。「多くの人が川魚を取り、阿武隈川に親しむ日常を取り戻したい」と訴えた。
魚類生態学専門の同研究所准教授は、禁漁の10年間に外来種が増え、在来種に悪影響を及ぼしている実態を挙げ、新たな課題となっていると述べた。さらに、県内水面水産試験場の担当者はアユ釣り特有の「友釣り」で釣れやすい遺伝子を持つ種があり、それを今年阿武隈川に放流したと報告した。全国のアユ釣り愛好家に積極的にアピールすべき取り組みだろう。
漁協の組合員は漁業権を持つため、釣り人にとって自身が組合に加入するメリットがある。新規加入者を増やすには魅力的な釣り場の創出が欠かせないテーマになる。釣りや川遊びの楽しさを若い世代にどう伝えるか。会員制交流サイト(SNS)を活用するなどして、広く人を引き付けるアイデアが求められる。
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