(157)今年また山河凍るを誰も防がず/細谷 源二(1906~1970年)
北の最果てにまた冬がやってきました。この句は作者が開拓団に加わり、北海道で詠んだものです。およそ開墾に向かぬ湿地帯で、飢えと寒さのなか家族と生きてゆかねばなりません。山河という大きな規模で、雪が降り、氷が侵食し、凍てついていきます。それは大自然の力であり、人はおろか、動物も、神でさえも止めることは…
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