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(155)寒月を呑(の)む鶴すこし亀もすこし/摂津 幸彦(1947~1996年)

 静かに澄んだ冬の夜空に、寒月が鎮座している。地上に降り注ぐその冷たい光を呑むのは、鶴と亀。幻想的で想像力豊かな句である。「鶴は千年、亀は万年」は寿命が長いことを言祝(ことほ)ぐ中国由来のことわざで、鶴も亀も古くから縁起が良いとされる動物だ。寒月光は、凝縮された長寿の秘薬なのだろうか。何だかわれわれ…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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