河北春秋(1/13):作家の嵐山光三郎さんは大相撲が始まると「…

 作家の嵐山光三郎さんは大相撲が始まると「人生もまた十五番勝負だな、と思う」という。5年で一勝負の15日間。初日は誕生から5歳まで。千秋楽は71~75歳となる▼以前『文芸春秋』に寄せたエッセーから。勝敗の決め方は「自己に厳しく採点することが重要である。甘い採点をしていると、反省すべき欠陥を見落としてしまう」。自己採点してみると意外と悩ましい。皆さんの星取表はどうだろう▼大相撲初場所が面白い。小欄が注目するのは新十両の北の若関(酒田市出身)。きのうまで3勝1敗と好調だ。身長189センチ、体重148キロの恵まれた体。埼玉栄高時代には高校横綱に輝いた。幕下上位で壁にぶつかり「人生が変わるぐらいの相撲がずっと続いていた。いい経験をさせてもらった」。師匠の八角親方(元横綱北勝海)から前に出る大切さを説かれたという▼嵐山さんの人生十五番。中日(36~40歳)で勝ち負けが交互に並び4勝4敗に。大相撲でもこの星取りが好きで8戦全勝の力士には興味がなかった。「人の運、不運は縄のようによじれ」。その人生曲線を土俵に重ねたのかもしれない▼21歳の北の若関。人生十五番に照らせばまだ5日目。これまでの自己採点を聞いてみたいが、まずは今場所。好成績を挙げて飛躍の1年に。(2022・1・13)

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