社説(1/14):コメ生産大幅減少へ/作付け転換 長期的な視野を

 新型コロナウイルスの感染拡大による影響を度外視しても、コメ需要の継続的な減少は避けられない。

 どれくらい生産量を減らすべきか、1年単位で議論していても先は見えない。産地として今考えなければならないのは、生産基盤を維持しながら利益を最大化するために何を作るかだろう。

 地域の営農計画について話し合う集落座談会が春先から本格化してくる。行政や農協グループには地域特性に応じた取り組みやすい転作メニューの立案、提示を求めたい。

 2021年産米の大幅な価格低下を受け、東北各県がまとめた22年産主食用米の生産量目安は、軒並み21年産の目安を下回った。

 6県全体では21年産比7万8605トン(4・3%)減の175万5599トン。生産調整(減反)が廃止された18年以降で最大の減少幅となる。

 減少幅が7%と最も大きい青森は県産米の約6割が業務用を占め、コロナ禍による外食需要の落ち込みが直撃した。在庫圧縮も進まず、大幅な削減となった。

 宮城も業務用の引き合いが強い主力品種「ひとめぼれ」の販売が振るわず、6・8%の減少を余儀なくされる。

 21年産の概算金(60キロ、1等米)は前年に比べ3100円低い9500円となり、7年ぶりに1万円を割り込んだ。農家の生産意欲がしぼみかねない状態だ。

 さらに気掛かりなのは、東北で生産量を減らしても産地の足並みが乱れ、全国的にコメ余りが深刻化することだ。

 農林水産省が昨年11月に示していた全国の適正生産量は21年産比18万トン(2・6%)減の675万トン。平年作を想定すると、作付面積は21年産から全国で約4万ヘクタール(3%)減らす必要があり、その規模は青森県(3万4200ヘクタール)や岩手県(4万6200ヘクタール)の総作付面積に匹敵する。

 東北6県全体としては、政府が示した適正生産量を踏まえて作付面積を減らしているが、今のところ全国で約4万ヘクタールの削減は難しい見通しだ。

 21年産では過去最大の6万3000ヘクタールの作付け転換を実施したにもかかわらず、米価は大きく落ち込んだ。

 需給調整に追われた生産現場やJAグループには、出来秋から徒労感が広がっている。22年産以降のさらなる作付け転換は、心理的な負担が大きいに違いない。

 21年産の転換は約7割が主食用に「回帰」しやすい飼料用だった。政府は大豆や小麦、野菜などへの転換を促しているが、まずは22年産米の需給均衡を確実に実現することが先決だ。22年産の作付け転換でも一定程度、飼料用が軸になるのはやむを得まい。

 水田の機能維持や転作支援の財政負担を考えれば、輸出用米や加工用米の生産拡大が望ましい。意欲と力のある産地に挑戦を促す施策も必要になりそうだ。

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