デスク日誌(1/14):きょろきょろ

 和洋を問わず趣のある建築物を見掛けると、つい足を止めてしまう。建築や設計に関する専門知識は何もないけど、なぜか心引かれる。つい先日も取材の約束があって盛岡市郊外を歩いていたら、すてきな住宅を見つけた。

 程なく前から来た年配とおぼしき女性に声を掛けられた。「何か落とし物ですか」。ん? 顔を上げたまま落とし物を探すわけないでしょと思いながらも「いえいえ、何も落としてませんよ~」と返答した。でも女性はおびえたような疑念のまなざしを向けてきた。

 その目を見てやっと理解した。原因は自分の格好にあった。色の濃いサングラス(眼疾悪化防止対策)、黒マスク(新型コロナウイルス感染症対策)、帽子(厳寒地対策)…。確かに怪しい。空き巣狙いかと思われても仕方あるまい。

 取材の際は相手が不快にならないような身なりで伺うように心掛けてきたつもりだが、出歩く格好や目線までは気が回らなかった。

 くだんの女性には「誤解させてすみません」と声を掛けたが信用してもらえなかったようだ。記者がきょろきょろするのは習性だが、その場は足早に去った。
(盛岡総局長 今野忠憲)

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