祖国トンガの情報乏しく 宮城の女性、被害状況案じる

 南太平洋トンガ沖で15日に発生した海底火山噴火と津波に、トンガ出身で宮城県亘理町の主婦五十嵐ビカポプアさん(38)が不安を募らせている。祖国にいる両親の無事は確認できたものの、被害状況の詳細は依然不明。オーストラリアなどに住むきょうだいと連絡を取り合い、最新情報の把握に努める日々が続く。

情報収集のため、きょうだいと連絡を取り合うビカポプアさん(左)と丈士さん=23日、宮城県亘理町

 発生6日後の21日午後3時半ごろ、ようやく両親と電話が通じた。「私たちは大丈夫。心配しないで」。「ザー」という風のような雑音越しに聞こえた母の声に、涙が止まらなかった。ビカポプアさんは「たった5分でも話ができて良かった」と胸をなで下ろした。

 実家は首都ヌクアロファ中心部から南東に数キロの内湾地区にあり、庭まで津波が押し寄せた。住宅浸水は免れたが、屋根に積もった火山灰の影響で雨水タンクの水が使えず、飲料水が不足している。インターネットなどの通信環境も完全には戻っていないという。

 ビカポプアさんはオーストラリアやニュージーランドの兄や妹と毎日2、3時間、フェイスブックのビデオ会議機能を使い、各国メディアが報じる現地情報などを共有する。オーストラリアの兄を中心に、実家に当座の資金や飲料水を送るなどして両親を支える。

 23日に情報交換した際、気になる話を耳にした。噴火場所に近い離島で暮らす親類の安否が確認できないという。「とても心配。被害がこれ以上広がらないでほしい」と気をもむ。

 ビカポプアさんは2013年9月、在トンガ日本大使館で同僚だった丈士さん(41)と結婚。15年秋に来日し、丈士さんの地元の亘理町に移り住んだ。

 噴火発生後、2人は友人や近所の人に励まされ、勇気づけられている。「宮城にいて、できることは限られるけれど、トンガが強く立ち直るために頑張っていきたい」と前を向く。

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