異常現象? 仙台の沼にカラスの大群 その正体は…

 夕焼け空を埋め尽くすようなカラスの大群が仙台市宮城野区の与兵衛沼付近に現れている。数は確認できるだけで数千を超える。「不吉な予兆?」「異常気象?」。近くの住民らは不安感を募らせている。

辺り一面を飛び交う大量のカラス=2月23日午後5時40分ごろ、宮城野区安養寺2丁目

 2月下旬の午後4時すぎ、四方八方からカラスが集まり始めた。東から数十羽。数分もしないうちに南東から数十羽。南から100羽近く。また東から数十羽、西からも100羽近く…。両手に持った1000まで数えられるカウンターがあっという間に1回転する。集まったカラスは沼を囲んで生い茂る森の中で羽を休める。

 北側を振り返ると住宅地の電線に、まるで砂鉄が磁石にくっついたかのようにカラスがへばりつく。

 「カァ、カァ」「カァ、カァ」。森の中から響くカラスの大合唱。午後5時半すぎ、何の合図があったのか分からない中、カラスが一斉に飛び立ち、上空を舞う。

 1年ほど前から目立つようになった。近くの主婦(42)は「元々カラスの多い地域だったけど、最近の数は尋常じゃない。異様な光景。電線の下がふんで真っ白になっていて衛生的にも気になる」と話す。

 「今までのカラスの苦情は夏場に多く、冬場はゼロ件。そんなに増えているんですか」。苦情対応を担う宮城野区区民生活課の担当者は首をかしげる。

 住民の間にはうわさや推測が飛び交う。「森で白骨遺体が見つかったこともある。またかも…」「昔、近くに寺があった名残かも」「白鳥にあげた餌を食べにきている」などなど。

まるで磁石につく砂鉄のように電線いっぱいに止まるにカラス

中国からの渡り鳥

 「中国からの渡り鳥で、ミヤマガラスで間違いないでしょう」

 カラスの生態に詳しい東都大(千葉市)の杉田昭栄教授が写真を基に断言する。

 ミヤマガラスは主に中国に生息し、冬になると日本に渡ってくるという。1980年代は九州地方を中心に飛来していた。分布域は日本海側へと広がり、最近では太平洋側でも確認されるようになった。

 杉田教授は仙台でも目撃されるようになった理由を「中国で餌が豊富になるなどの繁殖状況が良くなり、個体数が増え飛来範囲が広がったのだろう」と分析。性格は温厚といい「主に稲穂を食べ、めったにごみ袋をつつかない。春になったら、いなくなります」とも話す。

仙台上空にカラス大量発生

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