命つなぐ水道、修繕されず1週間 お湯出ず、顔洗えず… 住民困った

給水所で水をくむ住民=22日午後1時30分ごろ、仙台市青葉区新川

 宮城、福島両県で16日深夜に最大震度6強を観測した地震の影響で、仙台市青葉区新川の西仙台ハイランド団地の大半の52世帯で断水が続いている。水道管を管理する団地造成会社が事業停止し、復旧工事が進まないためだ。住民は団地内の2カ所で給水を受け、不自由な生活を余儀なくされている。

「ここは宮城県ではないのか」

 22日午後、団地の受水槽近くに設けられた給水所には、住民が次々と訪れた。高齢者が多く、補給作業も一苦労。水が入ったポリタンクを重そうに持ち上げ、車に積み込んだ。

 70代女性は「お湯が出ず、朝に顔も洗えない」と嘆いた。別の70代女性は「宮城県全域で断水解消」というニュースを見たといい、「ここは宮城県ではないのか」とうんざりした様子だった。

 住民らによると、団地は近隣でレジャー施設やゴルフ場などを手掛けた会社が1972年に造成し、水道管も「専用水道」として整備した。会社は2006年に民事再生法の適用を申請した後も、修繕には応じていた。東日本大震災による断水も復旧させた。

 レジャー施設は15年に、ゴルフ場は16年に営業を終えた。21年には宮城県大和町にあったゴルフ場の営業も終了し、会社は一切の事業を停止した。ただ、団地の水道管の管理は会社が担い、住民の水道料金の支払先になっている。

「金かかる工事できない」

 今月16日の地震で、団地の貯水槽から住宅に至る水道管が数カ所で破損し、57世帯のうち52世帯が断水した。ハイランド自治会長の早阪恵津朗さん(68)が17日、修繕を申し入れたが、会社側は「直したいが、金がかかる工事はできない」などと難色を示したという。

 自治会は仙台市に支援を求めているが、市は関与しない方針だ。市青葉区宮城総合支所の嶺岸裕次長は取材に「水道管は市の施設ではない。会社を差し置いて修繕することは難しい。会社の対応を待ちたい」と強調する。

 早阪さんは住民から修繕費を募ることも検討する一方、水道管の老朽化が深刻だとして「事業停止した会社には修繕できない。今後、市の水道管として管理するよう働き掛けていきたい」と話す。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る