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半田屋にご飯「大」はない? まるまつは家族3世代向け 仙台・ご当地外食チェーン探訪

「安くておいしいものをおなかいっぱいに」がモットーの大衆食堂半田屋=仙台市宮城野区の大衆食堂半田屋中野栄店

 仙台で暮らし始めると、東京では見かけない飲食店をよく目にしませんか? 逆に「全国区のお店だと思っていたのに、実は宮城ローカルだった」と驚いた経験がある市民も少なくないでしょう。仙台発祥のご当地外食チェーンのうち、「大衆食堂半田屋」と「和風レストランまるまつ」を訪ね、魅力を探りました。(編集局コンテンツセンター・小沢一成)

常時80品以上のメニューが並ぶ半田屋店内=仙台市宮城野区の大衆食堂半田屋中野栄店

「中」で茶わん3倍、これで十分

 「安くておいしいものをおなかいっぱいに」がモットーの大衆食堂半田屋。煮物や炒め物、焼き物、揚げ物など常時80品以上が店頭に並ぶ。期間限定メニューも豊富で、働き盛りや家族連れ、シニア世代まで幅広く親しまれている。

 かつての屋号が「めしのはんだや」だったことから、半田屋と言えば、白いご飯が真っ先に思い浮かぶ。「めし」と呼ばれるご飯はサイズ別に5種類あり、最も大きい「中」が480グラムで196円(税込み、店舗によって値段が異なる場合がある)。一般的な茶わん1杯(150グラム)の3倍以上の分量で、漫画に出てきそうな山盛りで提供される。

 ところで、意外なことに「大」サイズは用意していない。店内の品書きを見ると「めし大 とても食えない 『中』で沢山(たくさん)」とわざわざ書いてある。

 人気メニューはライスカレーと豚汁、さば味噌(みそ)だ。カレーは子どもでも食べやすいよう甘口に仕上げ、濃いめの味のおかずとも相性がいいという。豚汁は創業当初から受け継がれている具だくさんのレシピ。さば味噌は客の要望で自宅用のパック商品を開発したほど愛されている。

「めし」の大サイズがないことを説明する半田屋店内のお品書き=仙台市宮城野区の大衆食堂半田屋中野栄店

1日平均900人来店も

 半田屋は1954(昭和29)年6月、JR仙台駅前にあった飲食店街「ジャンジャン横丁」に「めしのはんだや」として創業したのが始まり。より地域に根差した食堂を目指し、単身層の利用が多いイメージから女性客やファミリー層にも浸透を図ろうと、99年7月、仙台市太白区に大衆食堂半田屋1号店となる中田店を開いた。

 現在は東北を中心に北海道、埼玉、広島両県を含め24店舗を展開している。仙台市宮城野区の東口BiVi店では1日平均の利用客数が約900人に上る。広報担当者は「豊富なメニューの中から自由に組み合わせて、自分好みの定食にすることができる。がっつり食べたい人もヘルシー志向の人も、ぜひ足を運んでほしい」とPRする。

和風レストランまるまつ1号店の西多賀店=仙台市太白区

丸い窓越しに見た松

 和風レストランまるまつは1910(明治43)年、仙台市内で「丸松そば店」として創業したのが原点で、地域とともに1世紀以上の歴史を歩んできた。店舗隣にあった銭湯2階の丸い窓から松の木が見えたのが、店名の由来となった。

 家族3世代で食事を楽しんでもらえるよう、すしや天ぷら、そばなど和食を中心に中華や洋食も用意している。各店に座敷席を設け、団体客の受け入れ態勢を整えている。

 ランチメニューは「かつ丼とミニそばランチ」(680円)「すし天ざるランチ」(820円)が双璧で、世代によって人気が分かれる。冷たいそばやうどんの大盛り(120円追加)を注文すると通常の2倍量となり、おなかいっぱい食べたい人には朗報だ。

 創業当時の味を守るそばつゆは、かつお節の最高級品「本枯節(ほんかれぶし)」などをブレンドして使い、香り高くコクがあるのが特徴。安全安心な食材を活用しようと、サラダに使うレタスは宮城県亘理町の自社農場で生産し、豆腐は県産大豆ミヤギシロメを使った自家製を提供するなどしている。

家族3世代で食事を楽しめるよう用意した座敷席。団体客の受け入れ態勢を整える=仙台市太白区の和風レストランまるまつ西多賀店

日常食を低価格で提供

 和風レストランまるまつの1号店は1982(昭和57)年にオープンした仙台市太白区の西多賀店で、現在は東北6県と栃木県に92店舗を展開している。運営会社のカルラ(宮城県富谷市)は「ごちそうは毎日食べられないので、家庭で普段食べるような日常食を低価格で幅広く取りそろえている。注文から10分以内に食事を提供するなど、いつ来ても利用しやすい」と来店を呼びかける。

「季節のセイロ」もまるまつの人気メニューだ=仙台市太白区の和風レストランまるまつ西多賀店
半田屋注文ガイド

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