0次の備えを考える 防災グッズを持ち歩こう 社説(5/8)

 「0次の備え」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。携帯できる防災・減災グッズを持ち歩こうという取り組みで、人と防災未来センター(神戸市)が考案した。

 0次とは、災害発生後に使う非常持ち出し袋などを1次の備え、数日間を乗り切る備蓄品を2次の備えと位置づけ、その前段階の「普段」「いつも」を意味している。

 災害は自宅や学校、職場にいるときに発生するとは限らない。移動中、立ち回り先などで被災する可能性もある。センターは阪神大震災10年の2005年から、外出先で被災する場合を想定して0次の備えを呼びかけている。

 センターのウェブサイトでは、0次、1次、2次の防災グッズを紹介。0次の品目として、懐中電灯、携帯ラジオ、携帯食、使い捨てカイロなどを挙げている。

 準備しておけば、自然災害に限らず、大規模な停電や車の立ち往生などに遭遇しても心強い。

 新しく買ったり、買い替えたりするなら、より使い勝手の良い物を選んでほしい。例えば、懐中電灯。手で持つタイプが一般的だが、バンドやひもで頭に装着するヘッドランプもある。

 手で持つと、どうしても片手がふさがってしまうが、ヘッドランプなら両手が自由になる。高齢者や子どもの避難のサポートをはじめ、身を守ったり、荷物を持ったりとメリットは多い。

 定番の携帯ラジオは、スピーカー付きが便利。イヤホンだと、耳に装着している人しか災害情報を入手できない。スピーカーがあれば、居合わせた人たちで情報共有が容易になる。2次避難の相談や行動も、より円滑に進むのではないか。

 連絡先のメモも用意しておくと安心だ。携帯電話が1人1台の時代になって、扱う電話番号が大幅に増えた。携帯電話に電話番号を登録しているだけでは、電池が切れた際、番号が分からないといった状況に陥りかねない。

 バッグに入れて持ち歩くことを考えると、可能な限り小さく、軽くすることが重要になるが、中身は人によって違ってくる。

 自分に必要なものを考え、そろえることは、災害時のイメージトレーニングにつながる。ぜひ、家族で0次の備えに取り組み、避難先、集合場所、安否確認の方法なども話し合ってほしい。

 またコンパクトなポーチは贈り物にも向いている。行動制限のない大型連休中、離れて暮らす家族や友人と再会した人も多かったと思う。再び楽しい時間を過ごせるように、防災グッズをポーチに詰めて、遠くの家族らにプレゼントしてはどうだろう。

 受け取った側は、日常的に持ち歩くことで安心感が得られるのはもちろん、身を案じる贈り主の思いに触れ、備えの意識が高まるはずだ。

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