苦境イチゴ、どら焼きに 仙台・こだま、新素材でマリトッツォ風

 菓子製造のこだま(仙台市)は、新型コロナウイルス禍で需要が減少した宮城県山元町産イチゴを使ったどら焼き「いちごの絆」を発売した。ボリューム感あるクリームの形状維持のため、増粘材に日本製紙(東京)が開発した新素材「セレンピア」を、東北の菓子業界で初めて採用した。

こだまが発売した「いちごの絆」

 いちごの絆はこだまのオンラインショップ限定で販売し、価格は4個入り2500円。山元町の農業法人燦燦(さんさん)園が生産したイチゴをピューレにして混ぜたホイップクリームを、生どら焼きの皮にたっぷりと絞った。通販は冷凍で発送し、自然解凍で食べられる。

 商品開発は昨年10月、児玉康社長(45)が、食ビジネス創出を手がける東北絆テーブル(仙台市)から「山元町の生産者が新型コロナの影響で余らせているイチゴを活用してほしい」と依頼を受けてスタートした。

 児玉社長は、イタリア・ローマ発のスイーツ「マリトッツォ」のように、たっぷりのクリームを使ったどら焼きがトレンドになっていることや、主力商品の生どら焼きとの差別化を意識して、商品コンセプトを考案した。

需要が減少したイチゴを使った新商品「いちごの絆」を考案した児玉社長

 試作段階では、解凍後にクリームが垂れるのが課題だったが、それを解決したのが「セレンピア」だった。同製品は木材の繊維をナノレベルまでほぐすことで生まれるセルロースナノファイバー(CNF)で、保水性や気泡安定性があるため、クリームをしっとり、ふんわりと滑らかに仕上げ、温度が変化しても形状を保つことが可能になった。

 児玉社長は「セレンピアが地元食材をつないでくれた。従来商品は年配の方が主なお客さまだった。『いちごの絆』はカフェでも提供し、若い世代の新たなお客さまを開拓したい」と意欲を見せる。生産農家との連携を拡大して、イチゴに代わるフルーツを使った商品開発も検討している。

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