防犯灯と道路照明灯、アプリで管理 宮城・富谷市 企業の提案基に一元化

歩道と車道を照らす道路照明灯。アプリを導入し、管理業務の効率化を図る=富谷市杜乃橋

 宮城県富谷市は本年度、市内にある防犯灯と道路照明灯の管理に、インターネットアプリを導入する。企業の提案を基に、位置情報や修理歴などを複数の媒体に記録していた従来の方法を改め、業務の効率化を図る。

 市が導入するアプリは「カンタンマップ」。クラウドサービス「キントーン」で使える。市内にある全ての防犯灯と道路照明灯を地図上に表示。管理番号や修繕歴、照度など関連する約10の情報を登録し、設置場所をクリックすると、一覧で見られる仕組みだ。

 パスワードなどを共有すれば、修繕を担う特定の業者もアクセスでき、発注や代金の請求などの手続きもクラウド上で完結できる。

 市都市整備課は「一つのアプリで全ての情報を把握でき、さまざまな手続きを迅速に処理できるようになる」と説明する。

 仙台市で2019年度、道路照明灯の撤去後も電力会社との契約を解除せず、電気料金9200万円の過払いなどが発覚した。これを踏まえ、富谷市は電気契約の管理番号も付帯情報としてアプリに盛り込む。防犯灯などの廃止時に管理番号を即座に把握し、解約漏れの防止につなげる。

 市は4月、アプリを開発した「あっとクリエーション」(大阪市)とシステム利用などの契約を結んだ。7月以降の運用開始に向け、準備を進めている。事業費は約70万円。

 富谷市内には防犯灯が約3300基、道路照明灯が約1900基ある。市は従来、位置情報をインターネット上で管理。管理番号や修繕歴は表計算ソフト「エクセル」で記録して紙の台帳も作り、別々に扱っていた。

富谷市内の防犯灯などを管理する「カンタンマップ」のサンプル画面

民間の視点生かす

 行政課題の解決に民間のアイデアやノウハウを活用しようと、富谷市は2020年度から「おためしイノベーション」と銘打った事業を実施。企業などの提案を公募し、新しいサービスの提供を目指している。防犯灯などの管理にアプリを導入するのは、事業を活用した初のケースとなる。

 事業は、各課が挙げた具体の課題を基に、民間の手法活用に適した事案を選別。市のホームページで、企業などから提案を募る。

 提案した企業の中から、担当課の職員が面接で連携する相手を決め、解決策となる仕組みやシステムを協議する。事業費は1件当たり30万円。1年間の実証期間を経て、本格導入の可否を検討する。

 若生裕俊市長は「民間ならではの新しい発想や視点、ノウハウを生かし、より効率的な行政運営につなげたい」と話す。

 防犯灯などの管理も20年度を実証期間とし、市職員と「あっとクリエーション」の社員が意見交換を重ね、既存のアプリを基に、管理に適したシステムを共同で開発した。

 同社は「一般公募なので入札資格がなくても、やる気さえあれば行政の事業に参加できる」と評価。富谷市での事業が実績となり、他自治体からアプリに関し照会があるという。

 市は22年度、市民の町内会離れ解消や遊具が老朽化した公園の管理コスト削減など4件で、公募に応じた宮城や神奈川などの企業4社と実証事業を実施する。

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