名取のジェラート、バイデン氏に 夕食会に「ナチュリノ」が提供

 東京都内で23日にあった日米首脳の非公式夕食会で、岸田文雄首相がバイデン米大統領に振る舞ったデザートは、名取市のジェラート専門店「ナチュリノ」からのお取り寄せだった。バイデン氏が副大統領だった2011年、東日本大震災で被災した同市を訪れたのが縁で実現した。

日米首脳の夕食会に提供した3種類のジェラートを紹介する鈴木代表=24日、名取市飯野坂のナチュリノ

看板メニューの3種類を提供

 テーブルに上がったのはミルクと抹茶、ダブルチョコレートのジェラート3種類。店舗でシングル440円で売られている看板メニューだ。鈴木知浩代表(47)は「嫌いな人はいない定番中の定番」と胸を張る。

 バイデン氏は震災の5カ月後に同市を訪れ、津波被災地で献花したり、仮設住宅で被災者を励ましたりした。米軍が救援活動「トモダチ作戦」を展開した仙台空港で演説。「次の作戦は日本の復興を支えることだ」と継続的な支援を表明している。

被災者らと交流するバイデン氏(中央)=2011年8月23日、名取市の美田園第2仮設住宅(名取市提供)

運営会社「地域の人々の喜びが一番のごほうび」

 ナチュリノを運営する図南商事は震災前、仙台空港近くに事務所を構えていたが津波で流失。スタッフ4人が犠牲になるなど甚大な被害を受けた。鈴木代表は「トモダチ作戦のおかげで今日がある」と夕食会のジェラートに感謝の思いを込めた。

 震災前はアイスクリームの流通問屋だったが、15年7月、市内に実店舗を開いた。「何度も(経営を)諦めかけた」と振り返るが、「地域に喜ばれる仕事をしたい」との一心で続けてきた。それだけに「米大統領が食べるくらいのアイスが名取にあるんだと、地域の人々が喜んでくれたのが一番のごほうび」と笑顔を見せていた。

多彩なジェラートが店頭に並ぶナチュリノ=24日、名取市飯野坂のナチュリノ
お茶を堪能する岸田首相とバイデン米大統領=23日、東京都港区の八芳園(内閣広報室提供)
河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る