「助けてくれる人と確信」 男性がバイデン氏に贈った言葉

バイデン米大統領との思い出を振り返る高橋さん=8日、宮城県名取市の自宅

 東日本大震災で津波被害に遭った宮城県名取市美田園北の無職高橋茂信さん(77)が、震災後に市内の仮設住宅で激励を受けたバイデン米大統領に感謝の手紙を送った。震災から10年で取り戻した平穏な暮らしの中で、恩返しの思いを込め「バイデンさんの背中を押したい」と筆を執った。

 在米日本大使館が震災10年で米紙に寄稿するため、2011年8月に名取市の美田園第2仮設住宅団地でバイデン氏と交流した子どもを探そうと、市に照会したのがきっかけ。自治会長としてバイデン氏と懇談した高橋さんが、市を通じて大統領への手紙を同大使館に打診し実現した。

 市沿岸部の北釜地区で津波に襲われ、集会所の屋根で一晩を過ごした高橋さん。住民が流される様子などを目の当たりにして「地獄を見た」と振り返る。自宅を失い、近くの母の実家は8人全員が犠牲になった。

 バイデン氏は米軍の支援活動「トモダチ作戦」の一環で被災地を訪問。高橋さんは仮設住宅集会所での懇談で隣に座り、「多くの人が犠牲になったことで落ち込んでいる」と伝えた。

 バイデン氏は、交通事故で妻子を亡くした自身の過去を語り「気持ちは痛いほど分かる」と寄り添ってくれたという。

 高橋さんは手紙で「本当に日本を、私たちを助けてくれる人だと確信」したとつづり「今後も健康に留意し世界平和のために頑張ってください」とエールを送った。締めくくりに「誰かの人生を思うことが、自分の人生も豊かにする」という言葉を贈った。

 手紙は3月上旬、在米日本大使館を通じて米ホワイトハウスに届けられたという。国際協調路線への回帰を鮮明にするバイデン氏を「勇気づけたい」と話す高橋さん。米ワシントンで17日に予定される日米首脳会談の行方を注視している。

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