新鮮な魚介をたっぷりのせた宮城県南三陸町の「キラキラ丼」が難局に直面している。海洋環境の変化や不透明な世界情勢でウニやイクラの調達が年々難しくなり、価格上昇も止まらない。東日本大震災からの復興を強力に後押ししてきた町の名物だけに、飲食店主らは苦しい対応を迫られている。
今季の「南三陸キラキラうに丼」の提供は大型連休中の1日にスタート。新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限が解かれ、南三陸さんさん商店街は観光客であふれた。しかし、キラキラ丼の話題になると店主は表情を曇らせた。
地元産ウニを使う「創菜旬魚はしもと」は、仕入れ価格高騰で1日30~50食に限定せざるを得なかった。販売価格も500円ほど上げて3520円としたが利益はほぼなし。多くの店舗が同様に値上げした。
はしもとはかつて2000円ほどで1日100食を提供した。店主及川満さん(47)は「地物にこだわりたいが、さらに値が上がれば量を減らしたり中身を変えたりするしかなくなる。不安しかない」と語る。
キラキラ丼は2009年に誕生。震災後の12年2月、飲食店主や町観光協会が中心となって復活させ、各店が「うに丼」のほか「春つげ丼」「秋旨丼」「いくら丼」を展開してきた。
近年は海水温が上昇し、活性化したウニに食べられて海藻が減る「磯焼け」が広がったことで、身入りの少ないウニが増えて漁の効率が悪化。飲食店主や漁業関係者によると、今季はロシアのウクライナ侵攻で燃料費が高騰したり、北海道産ウニの水揚げが減ったりして仕入れ価格が一層上がったとみられる。
「キラキラ」の由来であるイクラはさらに深刻。秋サケの不漁続きで地元産を確保できなくなり、昨年は「キラキラいくら丼」の提供を見合わせた。各店は北海道沖など国内産のイクラを使うが、ある飲食店主は「仕入れ価格は3年前の倍。今季は3、4倍になりそう」と頭を抱える。
海鮮のキラキラ丼を現在提供する町内8店のうち5店はさんさん商店街にある。飲食以外の店主も「キラキラ丼は商店街の顔。十分に出せなくなれば全体の客足に関わる」と気をもむ。
一方、商店街と離れた「食事処松原」では今季、大型連休中のうに丼提供を初めてやめた。店主の渡辺浩さん(62)は「残念がるお客さんもいたけど、売れば売るほど赤字の状況では苦しかった」と明かす。
ウニは夏場にかけて身入りが良くなり、近海での漁も活発になる。町飲食店組合長でもある渡辺さんは「時期をずらしたり、代わりの名物を考えたりするのも手。お客さんに喜んでもらえるよう、いま一度よく話し合いたい」と語る。
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