宮城沿岸の津波浸水想定(14)仙台市(若林、太白区) 観光客の避難誘導課題

 宮城県が5月10日に発表した巨大地震による最大級の新たな津波浸水想定は、東日本大震災時に被害を免れた地域や震災後に整備された集団移転先にも浸水域が広がる可能性を示した。避難方法の見直しを迫る形となった新想定。予想される浸水状況を市町ごとに点検する。(18回続き)

新たに浸水域の指定避難所も

 仙台市若林区は、地震発生から1時間ほどで井土浦に最大10・3メートル、荒浜に9・4メートルの津波が到達する予測。六郷小と六郷中の2カ所の指定避難所が新たに浸水域に入った。

 仙台東部道路と、東日本大震災後にかさ上げ整備した東部復興道路による「多重防御」で、内陸の浸水エリアはやや縮小した。

 課題は、集団移転跡地に整備された「JRフルーツパーク仙台あらはま」など観光施設の利用客の避難誘導。地盤沈下が起こる想定のため、荒浜地区の2カ所の「避難の丘」(高さ10メートル)は頂上でも数十センチ浸水する。市はかさ上げで対処する方針だが、完成までは震災遺構「荒浜小」などに避難誘導する。

 市は5月27日、事業者向けに荒浜地区で説明会を開いた。担当者は「事業者は高さ4メートル以上の津波の可能性を踏まえて立地しており、冷静に受け止めていた。利用者の安全を確保できるよう話し合っていきたい」と話す。

 太白区は、指定避難所の東四郎丸小が新たに浸水想定エリアに入った。市は2階以上への避難誘導で対応する考え。

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