宮城・川崎の風力発電計画 山形側の蔵王温泉観光協が反対決議

風力発電事業の住民説明会で関電の担当者の説明を聞く地元の観光業者ら

 蔵王温泉観光協会(山形市)は27日の総会で、関西電力が宮城県川崎町の蔵王周辺で計画する陸上風力発電事業に反対することを満場一致で決議した。総会前に関電が開いた住民説明会で、山形側からも風力発電施設が見えるとしたことに強く反発した。

 山形市蔵王体育館で開かれた総会には観光業者や住民ら約40人が出席。反対理由を「蔵王山の自然景観を壊すことになり、蔵王のみならず山形県全体の観光客の減少につながる」とした決議文を、委任を含む会員約160人が採択し、直後に市と市議会に提出した。県も含め、共同で反対の意思表明することを促す。

 住民説明会では、関電の担当者が完成時のシミュレーション画像を提示。蔵王温泉スキー場や北蔵王の雁戸山などから施設が目視できる可能性があるとした。出席者からは蔵王連峰の眺望や振動による蔵王の火山活動への影響を懸念する声が相次いだ。一方で蔵王温泉地区の住民の電気料金を無料にするとの条件付きで賛同する意見もあった。

 蔵王温泉観光協会の伊藤八右衛門会長は「観光業者にとって自然は一番大切な財産。事業は関西でやっていただきたい」と強調。川崎町でも反対運動が起きていることを踏まえ「宮城、山形の両県知事のトップ同士が反対してほしい」と求めた。

 説明会に出席した関電の再生可能エネルギー事業本部事業開発第三グループの豊田玲子マネジャーは、反対決議に「厳しい意見は承知している。地域住民や行政と対話を続けながら、事業について調査と検討を進めたい」と述べた。

住民説明会で関電側が提示した刈田岳避難小屋から見た風力発電施設のシミュレーション。丸で囲った部分が目視できる施設
風力発電事業の住民説明会で地蔵岳からの眺望のシミュレーションを説明する関電の担当者。丸で囲った部分が風力発電施設
住民説明会で関電側が提示した雁戸山から見た風力発電施設のシミュレーション画像。複数の施設が確認できる

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