病と闘う娘の治療の励みに 元横綱白鵬と3年ぶり再会、パワーもらう

 「自分も手術やリハビリでつらい思い、焦りもあり苦労した。小さい子が苦しんでいる姿に、お互い頑張ろうと」。大相撲の元横綱白鵬の間垣親方が今月4日、観光大使を務める宮城県大崎市を訪問した。現役引退と親方襲名を報告する場で口にしたのは、同市で不動産業を営む早坂竜太さん(55)の長女で、病気と闘う奈夏ちゃん(4)との交流だった。

奈夏ちゃんと初対面した白鵬関=2018年、東京都内(早坂さん提供)

 2011年、東日本大震災の復興支援をきっかけに「おおさき宝大使」を委嘱された白鵬関。地元経済人の早坂さんとは立場や年齢を超えて親交を深めた。早坂さん夫妻になかなか子どもが授からないと知ると、会うたびに妻めぐみさん(47)のおなかをなでた。

 17年7月、奈夏ちゃんが誕生した。「横綱が『気』を与えてくれた」。早坂さんは感謝する。

 すくすくと成長し、「ハック(白鵬関)頑張れ」と声援を送るようになった奈夏ちゃん。「急性リンパ性白血病」と診断されたのは昨年4月だった。入院を知った白鵬関は、同門の力士との寄せ書きや動画、ぬいぐるみを送って奈夏ちゃんを励ました。

 昨年7月、6場所連続休場から進退をかけて臨んだ名古屋場所中日の11日は、奈夏ちゃんの誕生日。自身がトレーナーのケアを受けながら「負けないから奈夏ちゃんも頑張って」と動画で呼びかけた。現役最後となった同場所を、約束通りの全勝優勝で終えた。

再会した奈夏ちゃんを抱き、早坂さん夫妻と記念写真に納まる間垣親方=4日、大崎市古川の古川土地(早坂さん提供)

 今月4日、スーツ姿の間垣親方は記者会見に先立ち、早坂さんの会社を訪れた。コロナ禍を挟み、3年ぶりの再会。奈夏ちゃんを抱いて優しく語りかけるとともに、めぐみさんにも「ママもお疲れさま」とねぎらいのハグをしたという。

 大横綱からパワーをもらい、奈夏ちゃんの治療はこれからも続く。

 早坂さんは「厳しい勝負の世界に生きながら弱い人に優しい。角界を背負い、批判やプレッシャーを受け止めてきた器の大きさ、本当の優しさを感じた。現役を終えたこれからもずっと応援していきたい」と話す。

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