男子新体操アニメ「バクテン!!」舞台はなぜ岩沼? 公開中の劇場版も好評

 宮城県岩沼市を舞台にした高校男子新体操部の青春を描いたアニメ「バクテン!!」劇場版が、2日から公開されています。2021年4~6月に放送されたテレビアニメも大人気でした。なぜ、岩沼を舞台に作品が作られたのでしょう。地元の盛り上がりも紹介します。(編集局コンテンツセンター・竹内明日香)

2日公開の映画キービジュアル。岩沼市役所の屋上から見渡す市内の風景をバックにしたという©映画バクテン製作委員会

 静寂に包まれた体育館。きらきらした衣装を身にまとった私立蒼秀館高校(アオ高)の選手が一糸乱れぬ演技を見せる。中学生だった主人公の双葉翔太郎は、その迫力にくぎ付けになる―。

 テレビアニメ「バクテン!!」第1話の冒頭だ。双葉はアオ高に入学。新体操部で個性的なメンバーと共に成長していく。劇場版は全国高校総体(インターハイ)出場を果たしたチームの奮闘ぶりとその後をつづっている。

主人公の双葉翔太郎©映画バクテン製作委員会

 作品には市総合体育館や、コロッケがおいしい精肉店など地元でなじみの場所も多く登場する。登場人物の名前は「美里」「亘理」「築館」など宮城の地名にちなむ。各話のエンディングはキャラクターが自分の名前の由来となった場所を紹介するシーンが織り込まれ、各地を「巡礼」するファンも多いという。

 市もPRに力を入れる。JR岩沼駅や竹駒神社など6カ所にキャラクターの等身大パネルを設置。観光物産協会と共同で聖地巡礼マップを発行したほか、市内の映像とアニメのキャラクターの動きを重ね合わせたPR動画を公開。街を挙げて盛り上げを図る。市の担当者は「映画でしか出てこない場所に足を運んでくれるコアなファンもいる」と、早くも劇場版公開の効果を感じている。

仙台空港にはアオ高の6人が浴衣姿で仙台七夕を楽しむ様子のパネルがある

 そもそも、なぜ岩沼市が舞台になったのか。プロデューサーのフジテレビの森彬俊(あきとし)さん(37)は「16年のリオデジャネイロ五輪がきっかけ」と振り返る。

 閉会式で20年東京大会をアピールするコーナーが設けられた。その中で「ダンスとも体操ともつかないおもしろい動きの集団」が森さんの目に留まる。青森大(青森市)新体操部の男子部員たちだった。

アオ高メンバー6人での演技風景©映画バクテン製作委員会

 ダイナミックさに引かれて取材を進めるうち、高校強豪の名取高(岩沼市)にたどり着く。十分な設備がない中で、表現力を磨いていた選手たちの姿に魅力を感じ、作品のモデルに選んだ。

 森さん自身も宮城県出身。高校時代まで仙台市で過ごした。「故郷を舞台にした作品を届けられてうれしい。前を向いて今を生きている高校生たちを描いており、宮城、東北の人々が元気に日々を暮らしていく一助になればいい」と話す。

アオ高のモデルとなった名取高=岩沼市

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