(333)泳ぐなり水没都市の青空を/堀田 季何(1975年~)
泳ぐのは暑い日が一番です。焼けるような砂浜やプールサイドからざぶんと水に飛び込むとき、爽快感と解放感が突き抜けます。ところがこの句で泳いでいるのは、水没した街の上です。SF作品のような世界ですね。水…
関連リンク
- ・(332)凡吏(ぼんり)われ父の鎧(よろい)に枇杷(びわ)啜(すす)る/只野 柯(か)舟(しゅう)(1917~2011年)
- ・(331)波引きて心もとなき裸足(はだし)かな/吉村 昭(1927~2006年)
- ・(330)怒りとはこんな日暮れの草いきれ/岸本マチ子(1934年~)
- ・(329)あぢさゐの褪せて架空のこどもたち/青本 柚紀(1996年~)
- ・(328)夕立にどつと亜細亜(アジア)が匂ひけり/奥坂まや(1950年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。