(328)夕立にどつと亜細亜(アジア)が匂ひけり/奥坂まや(1950年~)
雨の降り始めや、雨上がりに感じる匂い。土の香りの懐かしさや、地上の埃(ほこり)が洗い流されるような感覚があり悪くない。盛夏の前に雨期がある国々をモンスーンアジアと呼び、その東端が日本。6月になるとイ…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。