仙台育英、3年ぶり夏の頂点 高校野球宮城大会 聖和学園、及ばず

3年ぶりの甲子園出場を決め、マウンドに集まって喜ぶ仙台育英ナイン

 第104回全国高校野球選手権宮城大会最終日は27日、石巻市民球場で決勝があり、仙台育英が聖和学園を破って3年ぶり29度目の夏の甲子園出場を決めた。

 仙台育英は3-1で聖和学園を振り切った。二回1死三塁から遠藤のスクイズで先制。1-1の同点とされた直後の四回は遠藤の適時内野安打で勝ち越し、七回には山田のスクイズで3-1とリードを広げた。聖和学園は主戦阿部航大が粘投したが、打線が援護できなかった。

 全国大会は8月3日に組み合わせ抽選が行われ、6日に開幕する。

▶決勝

聖和学園 001 000 000-1
仙台育英 010 100 10 × -3

決勝のスコア

◆仙台育英3-1聖和学園

 【評】仙台育英が競り勝った。1-1の四回、四球を選んだ斎藤陽が二つの盗塁で三塁へ進み、2死から遠藤の内野安打で勝ち越し。七回にもスクイズで1点を加えた。先発高橋は4回1失点、救援した主戦古川は5回無失点の好投。聖和学園は主戦阿部航大が再三走者を背負いながらも計3失点でしのいだが、打線が援護できなかった。

仙台育英―聖和学園 4回裏仙台育英2死三塁、遠藤が遊撃への適時内野安打を放ち、2―1と勝ち越す。捕手山田

手堅さ光り、競り合い制す

 仙台育英が3年ぶりに夏の甲子園切符を手にした。スクイズと内野安打で2打点を挙げた遠藤は「ここまで苦しい戦いだった。優勝できて良かった」とほっとした表情を浮かべた。

 チームがテーマに掲げる「守備と走塁のチーム」を体現する戦いだった。聖和学園の好投手阿部航大の前に逸機を重ねる中、盗塁やバントを絡めて好機を築いた。

 先制の場面は二回。1死三塁から遠藤のスクイズで手堅く1点を先制した。同点の四回は4番斎藤陽が四球で出塁して二盗、三盗を決め、2死から遠藤の内野安打で勝ち越した。「練習通り、足でかき回せた」と斎藤陽。七回には橋本が山田のスクイズで生還して3-1とした。

 大本命とみられた昨夏は4回戦で、昨秋は東北大会準々決勝で敗退し、夏春連続で甲子園出場を逃した。特別な思いを胸に臨んだ大会で宮城の頂点に返り咲いた。須江監督は「コロナ禍でさまざまなものを失った3年生を、何が何でも甲子園に出場させたかった」と実感を込める。

 「一戦必勝で戦い、全国制覇にたどり着けるといい」と遠藤。頂点を目指すための出発点に今、立った。
(北村早智里)

仙台育英―聖和学園 2回裏仙台育英1死三塁、遠藤が投前に先制のスクイズを決める。投手阿部航大、捕手山田

エースの投球貫く 聖和学園・阿部航大

 最後に聖和学園のマウンドに立ったのは、やはり阿部航大だった。前日の準決勝に続いて先発し、8回115球を投げ切り3失点。初の栄冠を目前で逃すも「悔いが残る球はない。完全燃焼できた」と充実感をにじませた。

 エースらしく自分の投球を貫いた。1-2の六回、2連打で無死二、三塁とされた。大量失点につながりかねない流れだったが、三走の治療で給水タイムとなり、気持ちを切り替えることができた。「きつい場面で丁寧さを失うと、自分の投球ではなくなる」

 次打者の遠藤を変化球2球で追い込んで空振り三振に仕留め、後続は三ゴロと投ゴロ。9球でピンチを脱した。

 持ち味の粘りを発揮したものの、七回に失点し1-3。打線は仙台育英の継投の前につながらず、快進撃は止まった。それでも右腕は今大会の全6試合中、先発した5試合で完投し、そのうち2完封。全てを出し切った。

 3年生は野球部が創設された2004年度生まれ。ノーシードから初の決勝進出を果たし、チームにとって歴史的な夏になった。「次の代の土台になってくれるなら、(今日の)負けは意味がある」と阿部航大。夢の続きを後輩たちに託した。(島形桜)

仙台育英―聖和学園 8回裏、好守を見せたチームメートを笑顔でたたえる聖和学園・阿部航大
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