河北抄(7/30):「チムグクル(肝心)」。沖縄の言葉で真…

 「チムグクル(肝心)」。沖縄の言葉で真心や思いやりを意味する。「沖縄の人々は長い歴史の中、他者の痛みに寄り添うチムグクルを育んできた」。昨年の平和宣言で玉城デニー県知事は述べた。

 2011年4月。東日本大震災で被災した多賀城市のJR多賀城駅前に、那覇駐屯地の部隊が入浴施設「チムグクルの湯」を設営。約2カ月間で延べ3万人を超す住民やボランティア、応援の自治体職員らが汗を流した。

 隊員は常に笑顔を絶やさず、気さくに話しかけたり背中を流したり。心を尽くして利用者を癒やした。湯上がりに境遇を打ち明ける被災者や、最終日には涙を流して別れを惜しむ女性もいた。

 震災時、各地で自衛隊の献身的な活動があったが、住民とあれほど深く関係を築いた部隊は類を見ない。隊員の一人は「沖縄戦の記憶から自衛隊に複雑な思いを抱く島民は少なくない。日頃から丁寧な対応を大切にしている」とチムグクルの訳を明かした。

 沖縄からもらった「真心」。私たちも誰かに渡せているだろうか。

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