安倍氏死去で学校に半旗掲揚求める 仙台市教委、総務局の依頼受け

仙台市役所

 仙台市教委が安倍晋三元首相の死去に合わせ、弔意を表す半旗の掲揚を市立学校に求めていたことが2日、分かった。市教委によると、市総務局からの依頼を受けた措置という。教育基本法は学校の政治的活動を禁じるが、市教委は「総理経験者への弔意を示す行為で、政治活動と捉えていない」と主張する。

掲揚の有無「把握せず」

 市教委によると、市総務局が7月11日、各部局に半旗掲揚を依頼。これを受け市教委は同日付で市立の小中学校と中等教育学校、特別支援学校、高校の計188校に半旗掲揚を求める通知を出した。

 通知は「安倍晋三元内閣総理大臣の逝去に関する半旗の掲揚について(依頼)」と題し、安倍氏の11日の通夜から12日の葬儀までの実施を求めた。

 取材に対し、市教委教育指導課は「協力のお願いで強制力はなく、実施の可否は各学校の判断に任せた。教育の政治的中立性についても問題ない」と説明。実際に掲揚した学校数は把握していないという。

「何となくの雰囲気で」

 半旗を揚げた市内の小学校の教頭は「市教委の指示に従った。教職員には説明したが、保護者や児童には知らせていない」と明かす。市教職員組合によると「説明もなく学校で半旗が揚がった」「掲揚の経緯を知りたい」といった声が組合に複数寄せられている。

 東北の他の5県庁所在市はこうした通知を出していない。全国では北海道帯広市教委や川崎市教委などが仙台市教委と同様の通知や要請をした。末松信介文部科学相は7月29日の記者会見で「半旗を掲揚するか否かは自治体で適切に判断すべきものだ」と述べた。

 東大大学院の本田由紀教授(教育社会学)は「学校が死を悼むことは『安倍元首相はすごい人だった』と子どもたちに伝えるようなもので、自民党支持への誘導につながりかねない。自治体には半旗掲揚の明確な基準がないのに、何となくの雰囲気で通知を出している。『強制力はない』と説明しても、通知すれば学校側は掲揚を求められていると受け取るだろう」と指摘する。

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