東北の設備投資、22年度計画は36.7%増 製造業の増加率全国一

 日本政策投資銀行東北支店は4日、東北6県と新潟県での2022年度設備投資計画(6月時点)の調査結果を発表した。全産業の計画額は6390億円で、21年度実績を36・7%上回った。増加率は全国10地域のうち3位で、製造業に限れば60・3%増はトップ。電気自動車(EV)の普及やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展で工場新設が旺盛な電気機械で投資が大きく伸びた。

〔注〕単位は億円。かっこ内は前年度実績比増減%。▲はマイナス。1億円未満は四捨五入のため、合計が一致しない場合がある

 製造業の投資計画額は3926億円で、21年度実績の2450億円から大幅増。13業種のうち10業種で前年度を上回り、特に電気機械、化学、その他製造業がけん引する。化学は医薬品製造分野で量産能力増強が実施され、その他製造業では住宅用木材関連の工場新設で大型投資がある。

 非製造業の投資計画額は10・7%増の2464億円。10業種のうち8業種で前年度を上回る。新規出店や既存店舗改装で高水準の投資が予定される卸売り・小売り、発電所の修繕工事や原発関連施設への投資がある電力が、増加分への寄与度が高かった。

 県別の投資計画額は表の通り。全産業は全県で増加した。青森は運輸や通信・情報が落ち込み非製造業が減少。秋田は電気機械が伸びて製造業が大幅に増える一方、非製造業が不動産やサービスの減少で大幅に減る。山形の製造業は化学や電気機械が好調で大幅増となる。

 全国10地域の増加率をみると、全産業は北関東甲信(51・6%増)、首都圏(40・0%増)、東北の順。製造業はトップの東北に北関東甲信(51・8%増)、関西(45・9%増)が続いた。

 東北支店の担当者は「全国的に電気機械分野の投資が旺盛だが、半導体などの電子部品の製造には広大な土地、きれいな水と空気が必要で、東北はそうした条件を満たすエリアとして選ばれている」と説明する。

 調査は6月、資本金1億円以上の全国9486社に郵送し、5493社(57・9%)が回答。このうち東北地域(新潟県含む)に投資があると回答した企業は1059社だった。

EV、デジタルトランスフォーメーション対応で加速 後発薬、住宅木材も堅調

 日本政策投資銀行東北支店が4日発表した2022年度の東北の設備投資計画は、昨年に続き前年を上回り、製造業については全国トップの増加率となった。電気自動車(EV)などの次世代自動車やデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応した工場新設の動きが顕著で、ジェネリック医薬品(後発薬)や住宅用木材など、需給が逼迫(ひっぱく)する製品の増産投資の動きも盛んになっている。

 電子部品大手のTDK(東京)は23年3月ごろから、約500億円を投じて、子会社の北上工場(北上市)敷地内に延べ床面積3万3000平方メートルの新棟を建設する。24年9月から自動車の電動化や自動運転などに不可欠な電子部品「積層セラミックコンデンサー」を増産する計画だ。

 北上市内では半導体大手のキオクシア(東京)も今年4月から、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)の普及で需要増が見込まれる「3次元フラッシュメモリー」増産のため、北上工場第2製造棟を整備。投資規模は1兆円で、23年の完成を目指す。

 後発薬大手の東和薬品(大阪府門真市)は山形工場(上山市)に第3固形製剤棟、第2無菌製剤棟を建設中だ。総投資額は537億円。6月に着工し、24年4月の稼働開始を見込む。

 この投資で同工場は計8棟となり、生産能力は固形製剤が現行の65億錠から100億錠に、液体薬剤などが容器に入ったバイアル、シリンジ、アンプルは450万本から1000万本に増加する。

 同社が増産に取り組む背景には、20年から21年にかけて後発薬メーカーの小林化工(福井県あわら市)、日医工(富山市)で不正が相次ぎ、業界全体の供給能力が下がったことがある。東和薬品の広報担当者は「市場が混迷し、不安定供給状態にある中、増産投資を前倒しして進めることにした」と話す。

 能代市では6月、住宅用木材加工の中国木材(広島県呉市)が、秋田杉の製材や乾燥加工、木質バイオマス発電を行う生産拠点の起工式を行った。堀川智子社長は「ウッドショックなどで外国産材が高騰し、追い風が吹いている」と同社として東北初の生産拠点を築く狙いを説明する。

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