過酷だった「出稼ぎ」記録映画完成 山形・白鷹、60年代に体験した町民らが手作り

 1960年代に年間約200人が出稼ぎをしていたという山形県白鷹町で、町民手作りの映画「出稼ぎの時代から」が完成した。町内で7月24日にあった上映会を皮切りに、県内外での公開を見込む。

 79分にわたる映画の中心は、66、67年に川崎市の団地造成現場で働く作業員の様子を収めたスライドショーの映像。写真は当時、20代で現場に赴いた同町の農業本木勝利さん(77)が撮影した。重労働を強いられた環境の厳しさが垣間見える。

過酷だった当時の出稼ぎを今に伝える映画の一場面

 2020年に町の資料から本木さんが収めた当時の記録が見つかったことが製作のきっかけとなった。出稼ぎとは何だったのかを再考する資料になるとして、町民の間で映画化の構想が持ち上がり、町民有志約20人が昨年夏から作業を進めてきた。

 記録を残した本木さんが監督役を担い、他のメンバーと編集方針を議論。出稼ぎ中に留守を預かった家族、現代の若手農家や外国人労働者ら約20人にインタビューした映像を収録した。当時の苦悩を振り返るとともに、現在の農業や労働を巡る課題も問いかける内容に仕上げた。

 本木さんは「高度経済成長を支えた出稼ぎを通じ、社会が得た物と失った物があった。映画を見た人が、今後の農業や集落の在り方を考えてくれたらいい」と言う。

 連絡先は「制作委員会」の菊地富夫委員長090(8424)7963。

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