(375)嬰生まるはるか銀河の端蹴つて/小澤 克己(1949~2010年)

 「嬰(えい)」とは生まれて間もない赤ちゃんのこと、「生まる」は生まれるの古語的な表現です。文は倒置法で、銀河の端を蹴って赤ちゃんが生まれてきたという意味でしょう。人になる前の魂のありかに思いをはせたのかもしれませんし、赤ちゃんが寝かされている布団から夜空に向かって足が伸び、銀河を蹴っているという情景に取れるかもしれません。誕生の躍動を記すとともに、わが子が生まれたときの澄み切った秋の夜が、俳句を通して残り続けます。句集『オリオン』より。(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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