性的マイノリティ向けにプロポーズリング販売 山形の宝飾店で新サービス
山形市の宝飾店が、LGBTなど性的少数者のカップルに向けたプロポーズリング販売のサービスを行っている。サービスを明示することで来店の抵抗感を少なくするのが狙いだ。同様の動きは県内の貸衣装店などにも広がっている。

「指向にかかわらず」HPに明記
オーダーメードジュエリーのデザインや制作を手がけるアトリエジェムカフェが昨年11月に始めた。店員の佐藤宏太さん(33)が性的少数者から「婚姻届などができず、カップルとしての節目がほしい」と相談されたのがきっかけだった。
店のホームページ(HP)で、プロポーズリングの制作、販売などを性的指向にかかわらず行うと明記。人目が気になる場合、店を貸し切りにでき、自宅などへの出張にも対応する。
今年5月、愛知県の同性カップルの利用があった。「安心して利用できた。形に残るものができてうれしい」と喜ばれた。佐藤さんは「ブライダル関連のサービスは『男女間のもの』という垣根を取り払う一助になれればいい」と語る。

「気兼ねなく利用して」
リングの購入者には独自の「パートナーシップ証明書」を用意する。佐藤さんの呼びかけで協賛が得られた旅行代理店など県内四つの企業で提示すると、新婚旅行のパッケージツアーといった夫婦向けのサービスを受けられる。
協賛店の一つで、結婚式の衣装レンタルやプランニングを行うソルテール(東根市)は、協賛を機にカップルの双方が同じ服装をする「ダブルドレス」や「ダブルタキシード」のコースを設け、HPに掲載した。
矢口匡彦社長(49)は、仙台市青葉区の直営店で同性カップルの結婚式を担当するなど、性的少数者のカップルから依頼があればその都度応じていた。「対応してもらえるか不安で店選びに慎重になる」という利用者の声を聞き、発信の必要性を感じたという。
矢口社長は「どんな性的指向の人にとっても結婚式は意義深いものだ。気兼ねなく利用してほしい」と話す。
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