(417)鰯雲どのビルも水ゆきわたり/中村安伸(1971年~)
都会の高層ビルは鏡のような窓を持ち、外から室内が見えないようになっています。建物の全面を覆う窓には隣り合うビルや流れゆく雲がきれいに映るため、秋の鰯(いわし)雲がビルを泳ぐように見えるかもしれません。鏡面のビルはまるで澄んだ水のようで、人工の無機質なビルに自然の潤いが与えられたように感じられます。…
関連リンク
- ・(416)秋の庭歩けば影のついてくる/雨霧あめ(2002年~)
- ・(415)地はたちまち化石の孵化(ふか)のどしゃぶり/豊里友行(1976年~)
- ・(414)長き夜の対になりたきカギ括弧/花谷清(1947年~)
- ・(413)頬白やひとこぼれして散り〴〵に/川端茅舎(1897~1941年)
- ・(412)はらわたの熱きを恃(たの)み鳥渡る/宮坂静生(1937年~)