(412)はらわたの熱きを恃(たの)み鳥渡る/宮坂静生(1937年~)
俳句では、秋に大陸から日本に来る鳥を「鳥渡る」、春になって大陸へ戻る鳥を「鳥帰る」という。北方から来る雁(かり)、鴨(かも)、白鳥などが群れをなして飛ぶ様子は壮観。編隊を組むことで後ろの鳥の空気抵抗を少なくし、先頭は交代で務める。「はらわた」は内臓であるが、命を賭けて渡ってくる鳥たちの揺るがぬ心の…
関連リンク
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