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山形・最上の食材使った学生向け食堂が来年2月、東京に開業

 首都圏の大学生らが、山形県最上地方の食材を使った学生向け食堂を東京で開業するプロジェクトを進めている。学生がバイヤーとして農家から直接買い付け、調理や収支計算など経営を主導する。事業には、若者に山形の味を通して地域の魅力を伝えることで、交流人口の拡大や移住促進につながることへの期待もある。学生らは「私たちの力で地域を盛り上げたい」と意欲を燃やし、新たな活性化策に県も協力を惜しまない。

新庄のアパレルメーカーが製造したユニホームに身を包み意気込む古明地さん(中央)ら食堂の学生スタッフ=山形市内

東京農大の学生ら50人参画

 「大学食堂おいしい山形」は来年2月、東京・世田谷に開業する予定。来月からクラウドファンディング(CF)で資金を集め、東京農大などの学生約50人が経営に携わる。

 運営主体となる一般社団法人「スマートニッチ応援団」(横浜市)の吉田圭代表理事(42)は「『山形の食材でおなかいっぱいにする』がコンセプト。おなかをすかせた学生らに山形の食の魅力を記憶として残したい」と意図を語る。

 法人は、学生が買い付けた地域の食材を販売する「大学マルシェ」を以前から手がける。人口減が著しい最上地方での新産業創出に向け、県が本年度から進めるソーシャルイノベーション創出モデル事業に食堂の事業化を提案し、採用された。

自ら野菜やキノコ買い付け

 学生らはバイヤーとして真室川、金山、鮭川の2町1村の農家などを訪問し、特産の野菜やキノコなどを買い付ける。学生スタッフのユニホームは新庄市のアパレルメーカー製で、食堂の内装に地域特産の金山杉を使うなど「オール最上」に徹する。

 東京農大3年の古明地(こめいじ)咲さん(21)は「地域に受け継がれた伝承野菜のおいしさを多くの若者に知ってもらって市場を広げ、高齢化が進む農家の生産意欲を高めたい」と意気込む。仕入れた食材は学生スタッフが調理して割安で提供。こども食堂への提供やマルシェでの販売で余すことなく消費する仕組みづくりを目指す。

 学生らが最上地方と関わりを深めることで、将来は移住や定住の促進につなげる狙いもある。県は取り組みを広報するなどしてプロジェクトを支える。

 県事業のまとめ役を担う山形大アントレプレナーシップ開発センターの小野寺忠司センター長は「学生主導で若者が最上に目を向けてもらうきっかけになれば地域に経済効果をもたらす。いずれは県全体の食材を扱うなど取り組みを広げていければ」と話す。

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