(436)橙(だいだい)の灯いろしぼれり牡蠣(かき)の上/飴山實(1926~2000年)
食べ物の俳句の基本はおいしそうに作ることだが、この句は牡蠣好きにはたまらない。新鮮な乳白色の牡蠣に、橙をきゅっと絞る。控えめだがさっぱりした香りが広がり、何ともおいしそう。この句の見せどころは、橙の色を「灯いろ」としたこと。まるで部屋に温(ぬく)もりの明かりが灯(とも)ったようだ。作者には<旅にみ…
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